2010年6月17日

オーストラリアのオオヒキガエル

 オーストラリアには、ウサギや狐や猫など、多くの外来種が生息する。その中でも、オオヒキガエルは、外来種の動物が環境問題に見せしめになる。
 オオヒキガエルは一九三五年にハワイからオーストラリアに輸入された。農場の砂糖キビを食べている害虫を駆除するために、百匹のオオヒキガエルがクイーンズランド州に放たれた。
 今日、オオヒキガエルの数は二千万匹以上になった。それらは、在来種の動物に病気を伝播することになった。クイーンズランド州隣のノーザンテリトリー州とニューサウスウェールズ州の国境もオオヒキガエルは超えていった。
 ノーザンテリトリーに入ったオオヒキガエルは、長い足に進化したので、西に広がるのスピードは速くなった。しかし、その長い足のせいで十パーセントは、関節炎になっていた。毎年、オオヒキガエルは四十キロメートル移動する。
 オオヒキガエルは、オーストラリアの環境に、長期の影響を与えていることが見うけられる。オオヒキガエルは、腺から毒を分泌するので、これを食べる動物は、死ぬことになる。オオヒキガエルが輸入された後、オオトカゲや蛇の数は減少した。
 ノーザンテリトリーでは、オオトカゲはオオヒキガエルを好んで食べているので、減少している。そして、ワニの卵は、オオトカゲに食べられることがなくなり、ワニの数は増加している。
 多数の在来種の動物は、オオヒキガエルを食べても、無事でいることができる。一部の鳥、例えば、トビは毒を分泌する腺を避けて腹だけ食べることを学んだ。また、ある種のカエルは、オオヒキガエルの子供やオタマジャクシを食べても無事である。
 そのため、ノーザンテリトリーには、オオヒキガエルの伝播は案外遅くなっている。
 ある蛇は、毒がいっぱいある大きなオオヒキガエルを食べないように小さなあごの骨に進化した。
 二〇〇五年、科学者たちは、オオヒキガエルが好んで食べる蚊を、彼らの好きな紫外線で集めた。この蚊を使って、オオヒキガエルを捕まえて、殺した。二〇〇六年、クイーンズランド大学は、メスオオヒキガエルの性を変えるために、遺伝子の組み換えを研究し始めた。この研究が成功すると、その結果、オオヒキガエルの数はオスが多くなる。

 ほかの有害な動物

 オーストリアのラクダは、世界で唯一野性に返ったラクダである。今日、百万頭はいると見積られている。
 このラクダは、十九世紀中ごろに、荷物を運ぶものとして輸入されたラクダの子孫である。最初のラクダの大半は、インドから輸入された。しかし、ほかにもイエメン、イラクとカナリア諸島などからも運ばれてきた。ほかの有害な動物と比べて、ラクダは環境に影響が最少である。けれども、オーストラリアの在来種の植物を食べる。
 ウサギは、有害な哺乳類の中で環境に対して最も問題となっている。ウサギが原因で、生息地を破壊されて絶滅した動物や、数が減少した動物がいる。十八世紀にオーストラリアに来た時から、ウサギは収穫物を食べて数百万ドルの損失をもたらした。
 ウサギは、木の皮を食べて果樹園の若い木を立ち枯れにさせた。そのために、甚だしく土が侵食された。土が回復するまで、百年はかかる。
 一九五〇年、科学者はウサギに致命的なウイルスを作り、それを接種したウサギを放した。その病気はウサギの数を六億万匹から、一億万まで減らした。しかし、一九九一年には、ウサギの数は三億万匹に戻ってしまった。
 アカキツネは、一八五五年にキツネ狩りのためにオーストラリアに輸入された。今日、キツネは広範囲にわたって、生息している。そして、たくさんの在来種の動物を餌食にしている。
 森林保護官は、キツネを撃ったり、毒えさを使ったりしている。キツネが多いところでは、オーストラリアの在来種である犬( ディンゴ)を放して、キツネの数を抑えている。