2010年6月17日

どうして、カンガルーがながいしっぽ? どうして、ウォムバットの額が平たい?

 昔、カンガルーのミラムとウォムバットのワレンは人間だった。二人は、仲良くって、一緒に狩猟をしたり、同じところで住んでいた。ワレンは、木の皮で小屋を作ったが、無責任のミラムは、あえて小屋を作らなかった。ミラムは外で大きい火の隣に寝て満足していた。夏は、問題がなかったが、梅雨のときは困った。
 ある夜、大きい嵐が来た。風は、ヒューヒューないて、木は見えない巨人に揺すられたように揺れ動いた。雨は、激しく降った。夜の星が見えなかった。ミラムの火は、雨に消された。寒さで震えているミラムは、ワレンの小屋に向かった。
 「 きっと、私の友達は、私が宿泊したいことを断るはずがない」と思った。
 冷たくて、ずぶぬの彼はワレンの小屋の入り口に向かった。二人寝られる余地があったのでミラムはワレンを起こした。
 「 嵐は、私の火を消した。私はビショぬれで、寒気がするから、ここで寝ていいか?」とミラムが尋ねた。
 寝ぼけ顔でワレンは「 やだ、あそこに頭をおきたい」と無礼な態度で言い、空いているところに頭を置いた。
 そして、彼が空いている場所に動くと、小屋の隅が空いたがワレンにお断れたので、ミラムは雨で消えたもとの火の隣に戻った。
 嵐は、もっと激しくなった。ミラムは、切望している顔でワレンの小屋をじっと見つめるともう一回友達に聞こうと思った。ミラムは、ワレンの肩に手をおいた。
 「 身を切るような風が吹く。雨が小止みなく振っている。邪魔しないから、あの隅で寝かせてくださいませんか?」と聞いた。
 「 やだ、余地がない。外に出て、私を二度と起こさないでくれ」とワレンが返事した。
 「 でも、あの隅は空いている。君は、友達を死なせるように嵐の中に追い出すわけはないだろう」とミラムが言った。
 そして、ワレンはあの隅に足一本を置いたが、まだほかの隅は空いていた。ワレンはもう友達をだますことが出来なくなり怒って
 「 出て、出て行けっ。ここには泊めない。どこで死んでもかまわないよ」と大きい声をあげた。
 過酷に扱われたミラムは、激動して小屋から出て、暗い外で大きい石を探した。そして、また小屋に静かに入った。呼吸が聞こえたので、ワレンが寝ているのがわかった。両手で彼の頭の上に石を持ち上げた。そして、寝ているワレンの頭を石で殴った。衝撃で、ワレンが死ぬことはなかったが、彼の額は、平たくなった。
 「 これは、友達を邪険にしたご褒美だ。君と君の子孫代々の額が平たいから、人間は君のわがままな行動を知ることになるだろう」とミラムが笑った。
 ワレンは、ミラムとは勝負にならないと思い、その時から、いつも復讐を考え計画していた。
 時が過ぎて、ワレンが森で狩猟をしていると、ミラムが真正面に見えた。ワレンは、ミラムが動物の足跡を探している間に、彼にやりを投げた。やりはミラムの背中の下の方に深く刺さったため、ミラムは、やりを抜くことが出来なかった。
 「 私の番だ。長い間復讐を計画した。君と君の子孫代々が家のないものの印として、いつも背中にやりのしっぽがあるから、人間は、君が寝ている私を殺そうとしたということを知ることになるだろう」とワレンが笑った。
 そのときから、家のないカンガルーは動くと地面にドスンと当たる長いしっぽがある。そして、わがままなウォムバットはまだ額が平たいのである。